法人の決算｜具体的な流れや提出書類について解説

法人を経営している以上、避けて通れないのが決算です。

税務署や都道府県税事務所などへの申告・納税に直結するだけでなく、金融機関や取引先との信用にも影響を与えるため、正確に行う必要があります。

しかし実際には、「決算って具体的にどのような流れで進めるのか」と疑問に思う経営者や経理担当者も多いのではないでしょうか。

今回は、法人の決算の基本的な流れと必要書類をわかりやすく解説します。

法人決算の具体的な流れ

法人決算は、以下のような流れで進められます。

①決算整理

②財務諸表の作成

③申告書類の作成

④株主総会などでの承認

⑤申告・納税

それぞれ確認していきましょう。

①決算整理

まず、1年間の取引を会計帳簿に正確に記録したうえで、決算時点に必要な調整を行います。

具体的には、以下のような処理です。

• 売掛金や買掛金の未収・未払処理
• 減価償却費の計上
• 棚卸資産の確定
• 貸倒引当金の計上

実際の財務状況を正しく反映した数字に整えます。

②財務諸表の作成

決算整理を終えたら、損益計算書（P/L）や貸借対照表（B/S）、株主資本等変動計算書などの財務諸表を作成します。

財務諸表は単に税務申告に必要なだけでなく、経営状況を客観的に分析する重要な資料にもなります。

③申告書類の作成

財務諸表が完成したら、それをもとに法人税や地方法人税、法人住民税、法人事業税の申告書を作成します。

法人税の計算では、会計上の利益と税務上の所得に差異が出るため、別表を用いて調整を行う必要があります。

④株主総会などでの承認

決算報告書を作成した後は、株主総会を開き、株主に承認を得ます。

中小企業では形式的な手続きになりがちですが、法的には重要な過程であり、議事録の作成・保管も必要です。

⑤申告・納税

法人の決算期末から2か月以内に、税務署や地方自治体に対して法人税等の申告書を提出し、納税を行います。

期限を過ぎると加算税や延滞税が課されるため注意が必要です。

法人決算の提出書類

法人決算の提出書類は、以下の表のとおりです。

税務署、都道府県、市区町村の3つの窓口に対して、それぞれ所定の書類を提出する必要があります。

まとめ

決算整理から申告書類の提出までの流れを理解しておけば、スムーズに進められると同時に、自社の経営改善にも役立ちます。

ただし税務計算や書類作成には、専門的な知識が必要で、少しの誤りが大きな税務リスクにつながるケースもあります。

確実に対応するためには、税理士に相談するのがおすすめです。