医療法人における持分あり・持分なしの違いとは?
医療法人には、持分ありのものと持分なしのものに分けられます。
この違いは、医療法人の設立や運営などに影響を与えるため、法人を運営する際に重要なポイントです。
以下で、医療法人の持分あり・持分なしの具体的な違いやそれぞれの特徴について詳しく解説します。
持分あり医療法人とは
持分あり医療法人とは、法人の出資者が持分という財産権を持つ形態の医療法人を指します。
出資者は法人解散時に財産の分配を受ける権利があり、持分は出資額に応じて割り当てられます。
また、出資者が死亡した場合は、持分が相続されるという特徴があります。
持分あり医療法人のメリット
持分あり医療法人のメリットとして、出資者は出資に対する対価を得ることができることがあげられます。
解散時や、出資者が医療法人から脱退する場合に、自己の出資額に応じた対価を得ることができ、経済的なメリットがあるといえます。
持分あり医療法人のデメリット
持分の価値が高額になると、相続時の相続税が重くなる可能性があるため、相続に対する負担が増加します。
また、出資者から払い戻し請求をされると、財産が出資者に返還されるため、財産流出のリスクがあります。
持分なし医療法人とは
持分なし医療法人は、出資者に持分がない形態で運営される法人を指します。
この形態では、出資者に法人財産の分配権はなく、解散時に財産が出資者に還元されることはありません。
持分なし医療法人は、公益性を重視し、法人の財産が出資者個人の利益に利用されないように設計されています。
また、持分なし医療法人の場合に、出資者が死亡したとしても、相続人に相続されることはありません。
持分なし医療法人のメリット
上記のように、持分なし医療法人の場合、相続が発生しないため、相続税の負担がなく、税金面の負担が少なくなるというメリットがあります。
持分なし医療法人のデメリット
出資者が法人財産を個人の財産として受け取れないため、経済的メリットが少ないと感じることがあります。
また、法人の運営に関する意思決定で、出資者の意向が反映されにくくなる可能性もあります。
持分あり・持分なし医療法人の区別基準
持分ありの医療法人か持分なしの医療法人かを見分けるには、設立時期に着目します。
具体的には、平成19年3月31日よりも前に設立された法人の場合は持分ありの医療法人、それ以降に設立された医療法人は持分なしの医療法人となります。
まとめ
本記事では、医療法人における持分あり・持分なしの違いについて解説しました。
医療法人への出資者の相続が発生した場合には、持分ありか持分なしかによって相続税への影響が異なるため、税理士に相談することをおすすめします。
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代表税理士 | 庵 章(いおり あきら) |
---|---|
所属団体 | 近畿税理士会(106723) |
経歴 |
1995~1998年 内科医院勤務 1998~2006年 神戸市の会計事務所勤務 1996年~2017年 資格の学校 TAC(株) 税理士講座 財務諸表論 講師 2004年~2011年 資格の学校 TAC(株) 不動産鑑定士講座 会計学 講師 2006年~ 庵 章税理士事務所開設 2008年~ 登録政治資金監査人に登録 2010年~ 神戸会社設立センター開設 2013年~ 経営革新等認定支援機関に登録 2014年~ シンガポールにブランチオフィスを設立し、アジア進出支援を開始 |
著書 | ~税理士が教える~後継者がいる・いない別、経営者が考えるべきこと・知っておくべきこと |
血液型 | O型 |
出身地 | 兵庫県神戸市 |
趣味 |
車のディーラー巡り(もちろんドライブも!) お酒を飲みに行くこと |
座右の銘 | 『今日ならざることは、明日もなされず』 |
好きなスポーツ |
硬式テニス…最近はご無沙汰ですが。テレビ観戦も好きです。 ゴルフ…好きですが、上手くはないです(早く上手くなって、庵章税理士事務所顧問先様コンペを主催したいです。) |
好きな食べ物 | 和食、寿司、イタリアンが好きです。あとは、麺類、カレー(特にインディアンカレー) |
好きな飲み物 | 珈琲が大好きです。1日に5杯ぐらいは毎日飲みます。お酒は赤ワインが大好きです。 |
税理士になった動機 | 父親(私が10歳の時に他界)が税理士で、事務所と自宅が隣同士だったので、なんとなく父親の仕事を子供のころ見ていたので、それが潜在意識の中にあったのでしょうね。 |
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