【税理士が解説】法人の税務調査にかかる期間や流れ

法人の税務調査は、企業の申告内容が適正であるかを確認するために税務署が実施するものです。

スムーズに調査を進めるために、税務調査の流れや期間を事前に把握しておくことが重要です。

本記事では、法人税務調査の一般的な所要期間と流れについて解説します。

税務調査の種類と目的

税務調査は、主に「任意調査」と「強制調査」に分けられます。

企業に対して一般的に行われるのは「任意調査」であり、事前に通知が行われたうえで実施されます。

税務署が企業の申告内容に疑義を持った場合や、特定の条件を満たす場合などに行われます。

一方、「強制調査」は、重大な脱税が疑われる場合に国税局査察部が実施する調査で、いわゆる「マルサ」と呼ばれるものです。

本記事では、一般的な「任意調査」を前提に解説します。

税務調査の流れ

税務調査は、以下のような流れで行われます。

1. 事前通知

通常、調査の数日前に税務署から「税務調査のお知らせ」が電話または書面で通知されます。

調査の日時・調査対象となる税目（法人税、消費税など）・調査官の人数などが伝えられます。

2. 調査当日

税務調査は、企業の本社や事業所などで実施されます。

帳簿書類や領収書、契約書などの確認が行われ、必要に応じて担当者への聞き取りも行われます。

通常、1日あたり6〜7時間ほどの調査が1〜3日間続くのが一般的です。

調査期間中に追加資料の提出が求められることもあります。

3. 調査結果の説明

調査終了後、数日〜数週間以内に調査結果の説明が行われます。

ここで、修正事項がなければ是認となり調査終了です。

修正事項がある場合は、その内容について説明を受け、企業側が同意すれば修正申告を行うことになります。

逆に、指摘事項に納得できない場合は、不服申し立てを行い、税務署長に「再調査の請求」などが可能です。

4. 修正申告・追徴課税

調査結果に基づいて修正申告を行うと、不足していた税金の納付に加えて延滞税や加算税が発生することがあります。

税務調査にかかる期間の目安

法人の税務調査にかかる期間は、調査の対象範囲や企業規模により異なりますが、全体として、調査の開始から完了までは2〜4週間ほどかかるケースが多いです。

ただし、調査が長引いたり、追加の資料請求や照会があると、それ以上の期間が必要になることもあります。

まとめ

法人の税務調査は、企業の申告が適正に行われているかを確認する大切なプロセスです。

事前の準備と正確な対応を心がけることで、スムーズに調査を乗り切ることができます。

調査通知を受けた場合は、まず顧問税理士に相談し、必要な対応を速やかに行いましょう。