【税理士が解説】タックスヘイブンとは?概要や問題点、対策など
タックスヘイブンとは、日本語で租税回避地を指し、法人税や所得税の税率が非常に低い、もしくは税がかからない地域や国のことです。
タックスヘイブンを利用することで、企業や富裕層が税負担を大幅に減らすことができるため、課税回避の手段として広く知られています。
この記事では、タックスヘイブンの概要や問題点、国際的な対策について詳しく解説します。
タックスヘイブンの概要
タックスヘイブンは、一般的に法人税がゼロまたは非常に低い国や地域を指します。
ケイマン諸島、パナマ、バハマなどの国々が有名なタックスヘイブン地域です。
これらの地域では、企業や資産家が現地に法人を設立することで、法人税をほぼ支払わずに済むことが可能になります。
タックスヘイブン利用の問題点
タックスヘイブン利用の主な問題点は以下の通りです。
税収の損失
タックスヘイブンを利用した課税回避が進むと、各国政府にとって本来得られるはずの税収が減少します。
これにより、福祉やインフラ整備に必要な財源が不足し、国民全体への影響が出る可能性があります。
とりわけ、国際的な大企業がタックスヘイブンを利用して税金を回避することで、負担が個人や中小企業に偏り、公平な税負担が損なわれる問題が生じています。
所得格差の拡大
タックスヘイブンを利用できるのは主に資産を持つ大企業や富裕層です。
これにより、資産を持たない一般の人々との間で所得格差が拡大する原因にもなっています。
また、各国での公平な税負担が行われないため、社会全体の経済的な不平等が広がる一因となります。
犯罪や資金洗浄の温床
タックスヘイブンでは金融機関への情報開示が不十分であることが多いため、犯罪資金や脱税、資金洗浄(マネーロンダリング)に利用されるケースもあります。
このような不正行為が国際的に蔓延することで、国際社会全体の経済秩序が損なわれるリスクがあります。
タックスヘイブンへの国際的な対策
タックスヘイブンへの国際的な対策は以下の通りです。
BEPSプロジェクト
タックスヘイブンによる租税回避を防ぐため、OECD(経済協力開発機構)とG20が共同で進めているのがBEPSプロジェクトです。
このプロジェクトでは、国境を越えた利益移転を防ぎ、各国での課税を適切に確保するためのガイドラインが策定されています。
CRS
CRSは、各国間で金融口座情報を自動的に交換する仕組みです。
これにより、タックスヘイブンの金融機関に預けられた資産情報が居住国の税務当局に提供されるため、海外での資産隠しが難しくなります。
日本もこの取り組みに参加しており、海外の金融機関に預けた資産についても課税が可能となります。
まとめ
本記事では、タックスヘイブンの問題点や対策について解説しました。
タックスヘイブンに対する対策は国際的に進んでいるため、海外進出を考えている場合は、税理士に相談することをおすすめします。
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税理士紹介
TAX ACCOUNTANT
当事務所は企業が存続し、成長するための“攻め”のサポート、万が一の事態に備えるために財務基盤を強化する“守り”のサポートと、総合的にバックアップ。お客様とともに未来を創造いたします。
経営に関わる大切な事を任せることができる税理士として私たちをお選びください
代表税理士 | 庵 章(いおり あきら) |
---|---|
所属団体 | 近畿税理士会(106723) |
経歴 |
1995~1998年 内科医院勤務 1998~2006年 神戸市の会計事務所勤務 1996年~2017年 資格の学校 TAC(株) 税理士講座 財務諸表論 講師 2004年~2011年 資格の学校 TAC(株) 不動産鑑定士講座 会計学 講師 2006年~ 庵 章税理士事務所開設 2008年~ 登録政治資金監査人に登録 2010年~ 神戸会社設立センター開設 2013年~ 経営革新等認定支援機関に登録 2014年~ シンガポールにブランチオフィスを設立し、アジア進出支援を開始 |
著書 | ~税理士が教える~後継者がいる・いない別、経営者が考えるべきこと・知っておくべきこと |
血液型 | O型 |
出身地 | 兵庫県神戸市 |
趣味 |
車のディーラー巡り(もちろんドライブも!) お酒を飲みに行くこと |
座右の銘 | 『今日ならざることは、明日もなされず』 |
好きなスポーツ |
硬式テニス…最近はご無沙汰ですが。テレビ観戦も好きです。 ゴルフ…好きですが、上手くはないです(早く上手くなって、庵章税理士事務所顧問先様コンペを主催したいです。) |
好きな食べ物 | 和食、寿司、イタリアンが好きです。あとは、麺類、カレー(特にインディアンカレー) |
好きな飲み物 | 珈琲が大好きです。1日に5杯ぐらいは毎日飲みます。お酒は赤ワインが大好きです。 |
税理士になった動機 | 父親(私が10歳の時に他界)が税理士で、事務所と自宅が隣同士だったので、なんとなく父親の仕事を子供のころ見ていたので、それが潜在意識の中にあったのでしょうね。 |
最後に一言 | 私は人とのご縁を大事にしています。このページ見ていただいた方ともすごい縁だと思いますので、是非一度お気軽にお問い合わせしてみてください。優秀なスタッフと共にご連絡を心からお待ちしております。 |